「NISAを始める前に理解しておきたいこと①」の記事において、NISAは資産運用の利益にかかる税金が非課税扱いになる制度であること、株式投資における利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」であることを解説しました。
今回は、「キャピタルゲイン」についてもう少し詳しくみていきたいと思います!
キャピタルゲイン
「キャピタルゲイン」は「株式や債券、投資信託などを売却することによって得られる売買差益(譲渡益)」でした。今回は上場株式の譲渡益を例に考えてみましょう。
2022年2月末に1株1,000円のA社株式100株を10万円で購入し、2024年9月に値上がりし売却したと仮定します。
購入時は1株1,000円だったA社株式はその後、上がったり下がったりしながら、2024年4月に1株1,600円に値上がりしたので、売却しました。上場株式は100株単位での売買となりますので、100株すべて売却し、現金16万円が手に入ります。A社株式を購入するのに10万円かかっていますので、差額6万円が利益、キャピタルゲインとなります。なお、売却時も証券会社や契約内容によって売却手数料が発生することがありますが、ここでは考慮しません。
ただし、配当金と同様のこの売却益にも20.315%の税金が課されますので、手取りの利益は47,811円となります。
譲渡益を非課税で受け取るには
配当金と同様、NISA口座で保有している株式の譲渡益であれば非課税扱いになります!A社株式をNISA口座で購入していた場合、今回の例だと6万円まるまる受け取ることが可能です。
また、一般口座での売買で売却益が発生した場合、確定申告が必要ですが、NISA口座ならその手間も不要です。ただし、10万円で買った株が値下がりし、仕方なく8万円で売却した、といったように譲渡損が発生した場合、NISA口座ではなんのメリットもありません。あくまで譲渡益が非課税になる制度であって、利益も損失もないものとみなされますので、損失が出ても一般口座のように損益通算はできません。(損益通算とは、損失が発生した際、同じ年に他の株式の譲渡益も発生していれば、その譲渡益を損失の範囲で相殺できる仕組みです。確定申告が必要ですが、利益が少なく、損失を引ききれない場合は最大3年間繰り越すことができます。)
・譲渡益を非課税で受け取るには、NISA口座で保有して売却する
・NISA口座では損益通算ができない